Project Managementに役立つナレッジ

PM/PMOコンサルタントとして成長するために日々インプットしたことをアウトプットするブログです。

問題解決

■問題とは

  • 売り上げが5%落ちた、という事象は問題ではない。
  • あるべき姿(ToBe)と現状(As-Is)とのギャップが問題。
  • 目標が売り上げ20%アップだったときに15%のギャップがあることが解決すべき問題である。

■問題解決のステップ

4つのステップで考える。

  1. What(問題の明確化)
  2. Where(問題箇所の特定)
  3. Why(原因の追求)
  4. How(解決策の立案)

■問題解決で陥りやすいポイント

  • 問題がどこにあるのかの原因分析(Where)をする際は『打ち手』から考え始めず、まずは『結果』を分解して問題を絞り込む。
  • 考えられる原因(=仮説)を見つけたら必ず検証する。思い込み、決めつけをしない。
  • データ分析をする際には目的をもって行う。無目的に行うと時間を浪費してしまう。

■因果関係の落とし穴

原因の追究(Why)を行う際には因果関係を誤認しないよう以下の点に注意する。

  • 直観による判断(検証してファクトを確認する)
  • 第3因子の見落とし(ジュースとアイスクリームの売り上げに相関関係があるのではなく、第3因子である”気温”とこれらの商品の売り上げに相関関係がある など)
  • 因果の取り違え(コストが安いからトップシェアなのではなく、トップシェアなのでスケールメリットを活かしてコストが安い)
  • 最後の藁(たまたま最後に起こったことや目立った事柄を原因と誤認すること)

以下の条件を満たした場合のみ因果関係があると言える。

  1. 時間的順序が正しいこと
  2. 相関関係が存在すること
  3. 第3因子が存在しないこと

■プロジェクトマネジメントへの応用

  • 「タスクが計画より遅延している」という問題が起きた場合は、以下のような切り口で分析して問題箇所(Where)を特定する。
  1. タスク量(分母)は増えていないか
  2. 要員(分子)はアサインされているか
  3. 生産性(タスク量÷要員数)は想定した値に届いているか

例)特定チームのタスク量が計画比1.3倍になっていた。

  • 問題個所が特定出来たらなぜその問題が起きたかを分析する。

例)ユーザー部門から細かいリクエストがあるたびに担当者が受け入れてしまいスコープが肥大化していた。(=スコープクリープ)正式な追加要件ではないため追加予算が確保できず要員不足に陥っていた。

  • なぜなぜ分析を行い真因を分析する。

例)ユーザー部門は正式にリクエストを挙げると変更管理手続きが必要となり手続きにかかる手間が面倒だと思い担当者に直接依頼した。

⇒担当者は良かれと思い対応しており、チームリーダーには報告していた。

⇒チームリーダーも正式に対応すると変更管理手続きが必要となり手続きにかかる手間が面倒だと思いプロジェクトマネジャーに報告していなかった。

  • 仮説(変更管理手続きが必要となり手続きにかかる手間が面倒)が正しいかを検証する。

例)変更管理手続きを確認すると、追加コストが1万円の場合も1億円の場合も必要な手続きは同じであり、少額の変更要求の場合は手続きの負担の方が大きいことが判明した。

  • 解決策(How)を立案する。

例)コストが100万円未満の場合はプロジェクトマネジャー決裁で簡易的な手続きで変更要求を挙げられるように変更管理手続きを改定した。ただし、ユーザー部門からの要求の場合はユーザー部門が起票すること、少額であっても追加予算を必ず確保することをプロセス化した。