ネゴシエーション
■ネゴシエーションとは
- 利害関係がある2者がお互いの意見を主張して、妥結点を決めるプロセス。
- 勝ち負け(Win-Lose)を決める交渉だけではなく、お互いが譲れないことや守りたいことを開示して落とし所を決める(Win-Win)の結論を心がける。
- 同じものや事象に対しての希望のように見えてもお互いが「価値」と感じるものが異なることがある。お互いが守りたい「価値」を交換できるような提案が出来るとうまくいく。
■ネゴシエーションのプロセス
- 状況を客観的に理解する。(論点、ステークホルダー、BATNA)
- 相手の視点で考える。(感情、規範、利害、相手の立場)
- 自分のミッションを明確化する。
- 交渉を進めて決着に導く。(感情への配慮、納得してもらうための規範、利害の整理、どのような場で交渉するか)
■ネゴシエーションにおけるポイント
- 交渉は準備が9割
- 積極的に準備すること(自分のニーズ、相手の立場・強み・ニーズ・価値観、シナリオシミュレーション、想定問答)
- 目標は高く設定して安易に妥協しないこと
- 事前に次善策を考えておく。そうすれば交渉が決裂しても良いという強気の姿勢で交渉に臨める。
- 心を穏やかに持つ。背筋を伸ばし、相手の顔を見て、大きな声で話す。
- 相手の話に耳を傾けること(相手が何を大事にしているのかを見極める)
- 誠実であること
- 自己開示すること
- 交渉相手と協働すること
- 自分から質問、提案することで主導権を得る。
- 相手が話したそうな内容を引き出す質問をする。
- 相手のプライド、自尊心に訴える。相手がこうありたいという自分になれると感じてもらう。
- 状況を冷静に俯瞰して見る、相手のゆさぶりや交渉をゲームと捉えて「その方法で来たか」「であればどうやって返すか」と冷静に考える。
- 相手を説得するのではなく(相手は変えられない)、相手にわかりやすく説明することに注力する。(自分の行動を変える)
- 自分の負担はそれほどではないが相手にとってはメリットが大きいと思われる選択しを譲歩カードにする。
- 最後は相手に決めてもらう。自分が決めたのだからと覆したりできなくなる。
- 議事録やメールでエビデンスを残す
■交渉術
- 二分法(イエスかノーの二者択一を迫る)
- アンカリング(最初に極端な数字を提示し、それを基準として意識させる)
- グッドコップ・バッドコップ(強硬な態度を取る人、好意的な態度を取る人の2人で交渉する。または1人2役を演じる)
- タイムプレッシャー(相手のデッドラインギリギリで条件を提示して合意を迫る)
- サンクコスト(交渉に費やしてきた時間や労力を無駄にしたくないという心理)
- 最後のおまけ要求(合意の直前・直後にちょっとしたおまけを要求する)
- ドア・イン・ザ・フェイス(大きな要求を断らせたのち、小さな要求を承諾させる)
- フット・イン・ザ・ドア(小さな要求を受け入れさせ、徐々に要求レベルを引き上げていく)
■プロジェクトマネジメントへの応用
- 交渉において相手が求めていることが何なのかを理解する。
- PMが守るべきはプロジェクトのQCD。
- 例えばQCDのうち、今期のコスト削減が最も重要なのであれば、優先順位の低い一部のスコープを来期にスライドすることで今期のコストを減らせればお互い納得した結論になる。