組織行動とリーダーシップ
■組織行動とリーダーシップを学ぶ目的
- 人と組織のマネジメントを行う目的はメンバーと組織の目標を達成に向けた行動を促すこと。
- 「企業の仕組み」や「個人の取り組み」は組織の目標に向けて人や組織を動かす両輪である。
- 組織行動とリーダーシップを学ぶことは、状況に応じたリーダーシップの発揮のあり方や、人と組織を動かす上でのポイントの理解に繋がる。
■リーダーシップとマネジメントの違い
- リーダーシップとは、不確実性の高い状況においてルールを作り変革を促すこと。
- マネジメントとは、定められたルールに則り効率的に組織を運営すること。
- 不確実性が高く変化が早い時代には、マネジメントだけではなくリーダーシップとマネジメントの両方のスキルをマネージャーが持つことが重要。
■リーダーシップに関する理論
- 現在ではリーダーシップは「リーダーにふさわしい行動を取る」と「状況に適合」することで後天的に開発可能と言われている。
- パスゴール理論は、状況とメンバーの特性からリーダーが取るべき行動には4つのタイプがあるとしたもの。
- 指示型(ゴールが曖昧、部下の経験が低い場合)
- 参加型(部下の能力、意欲がが高い場合)
- 支援型(部下の役割が明確な場合)
- 達成思考型(困難で曖昧なゴールでも努力すれば達成できると動機づけしたい場合)
■エンパワーメントとは
- エンパワーメントとは、メンバーが自律的に行動する力を与えるリーダーシップ技術の1つ。
- 緊急性の高い仕事や1回限りの仕事などはエンパワーメントには向かない。
- メンバーに権限委譲を行い、自律的に行動させることにより成長を図る。
- 部下が実行可能な仕事かどうかを見極め、適切な仕事を割り振り、コーチング、実行支援を行う。
■モチベーションとインセンティブ
■集団のマネジメント
- コミュニケーションの落とし穴に気をつける。
- メッセージの送り手は良く見せようと「フィルタリング」してしまう。
- メッセージの受け手は自分の聞きたいことだけ聞いたり勝手に解釈する「選択的認知」をしてしまう。
- 送り手・受け手双方にジェスチャーや伝え方により誤解を生む「文化的差異」が起こる。年齢、性別、国籍などの文化的背景の違いを意識してわかりやすく伝えると良い。
- コンフリクトの解消をする。まずは「状況の分析」をしてから「コンフリクトの処理」をする。
①状況の分析
- 個人および組織への効果(このコンフリクトがプラスマイナスそれぞれどのような効果を与えているか。例 プラスは意見交換の場が出来る、マイナスは職場の雰囲気がさらに悪くなるリスク)
- コンフリクトのパターン(きっかけとなる行動と表現の相違点。例 Aさんは話すのが得意、Bさんは集中して考えるのが得意、お互いが相手に不満を持っているなど)
- 問題の性質(実質的問題[組織のルール、予算、責任など]と感情的問題[あの人が嫌いなど]を分ける)
- 根底にある要因(外部要因[仕事のプレッシャー、予算の制限など]と個人的要因[仕事への考え方、ストレスの感じ方など]を分ける)
②コンフリクトの処理
- 交渉する(対立する二者間で妥協できる点を探る)
- 制御する(対立する二者同士をの関わり方をコントロールする、合わなくするなど)
- 建設的に対峙する(対立する二者同士の理解を促し前向きにコンフリクト自体を解消する)
- 集団内での意思決定
- 集団で意思決定をする場合は認知バイアスが起きがちであることを認識する。
- 集団で考えると極端な結論になったり、拙速に結論を出そうとしたりしてしまう。
- 敢えて反対意見をいう役割の人を置いたり、全会一致の意見が出たら翌日再度議論するなど事前にルールを決めておくのも有効。
■チームマネジメント
- 集団は、メンバー一人ひとりの個人責任の集まりであり、集団のパフォーマンスは個人の総和となる。
- チームは、メンバーそれぞれが個人責任に加えて相互責任を負うことでのパフォーマンスはメンバー全員の合計より多くなる。
- 高い目標を達成するためには、メンバー全員が目標・方針を理解して進むことと、複数のメンバーを組み合わせて目標の達成に必要なスキル・経験を持つチームを作ることが重要。
- 集団がチームになるプロセスはタックマンモデルが参考になる。